cream soda

音楽について考えていることやライブレポートを書きます

ブラック・コメディ映画『シン・ゴジラ』

今週のお題「映画の夏」

 

各所で絶賛の嵐、『シン・ゴジラ』を観てきました。

私のゴジラの記憶は、はるか昔に『ハム太郎』と同時上映していたのを観たっけなぁ…という非常におぼろげなもの。モスラの毛の感じが気持ち悪くて仕方なかった。

今回は庵野さんが監督で、本当に各所で絶賛されまくりなので、ならば、と思い。

 

以下ネタバレ。

 

この映画は「2016年の東京に、未確認巨大生物・ゴジラが上陸したらどうなるか」をとことんリアルに描いた作品。ちょっと遠くにゴジラが出現したら、逃げるよりもまず、スマホで撮影&SNSにアップ!という行動、絶対みんなするでしょ。

私の中で、面白さのピークは前半だったかもしれない。

日本政府の対応の遅さ、ゴジラを射撃するにも何重にも確認・連絡をとらねばいけない、「想定外」「前例がない」といった言葉…2011.3.11の再現VTRかと思うほど。放射能うんぬんも出てくるし、完全に狙ってるのですが。

お上さんがそうやってダラダラとくだらない会議をしている間に、東京を荒らしていくゴジラ。第2~3形態あたりはちょっとキモ可愛かった!

っていうかこれ、前半の感じは『博士の異常な愛情』へのオマージュか?

博士の異常な愛情(1枚組) [DVD]

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 とにかく前半は最高のブラックコメディですよ。

しかも、中盤でお偉いさんたちが、ゴジラによって一掃☆

その後は、一見ダメダメな総理代理が意外とデキる男だったのもあって、日本に3度目の核爆弾を落とさせることなく、ヤシオリ作戦により、ゴジラは停止。(今後どうなるかはさておき)

実際にゴジラが暴れまわるシーンはさほど多くなくて、映画の大半を占めるのは政府周りがドタバタする様子。そのリアルさが、最高に笑える、っていうか、リアルすぎて笑えない。

前半には、3.11の津波を連想させるような映像もあって、色々フラッシュバックしてしまったり。

でも、終盤、ゴジラに対して無人新幹線&在来線爆弾を使うシーンは、少年のようにワクワクしました。

山手線と京浜東北線が!ゴジラにぶつかって(?)爆発するんですよ!「ぼくのかんがえたさいきょうのぶき」じゃないですか。たまんねー!

そんなわたしは、エヴァンゲリオンは漫画しか読んだことがありませんでした、すみません、アニメも観ます。

とことん現実的な状況の中に、虚構のゴジラが出現する。それはとても滑稽なのだけど、笑えない、そんな気持ちになる作品だった。

映画『貞子vs伽揶子』を観た!~ビビりがホラー映画デビューしました~

今更ながら、『貞子vs伽揶子』をみてきた!

そもそもどちらかといえばチキンだし、これまで、ホラー映画を観たいと思ったことすらなかったのですが。

 

www.m-on-music.jp
www.m-on-music.jp

 

この『みんなの映画部』を読んで、「こいちゃんがそんなに言うなら見てみたいなぁ」と思ったのがきっかけでした。

 

とはいえ、ホラー超初心者の私にとって、

貞子…井戸に生息?髪長くて白い服でテレビから登場する。「♪くる きっとくる」

伽揶子…だれ?呪怨ってあの「あ”あ”あ”…」って言う男の子じゃないの?

というイメージしかなく、(我ながらひどい)こんなんで観に行って大丈夫なのか?というかやっぱりこわい!と、いろいろ妄想してたら前日は眠れなくなりました(笑)

 

そんなホラーへの意識低い系JDがホラー映画デビューしたところ。

 

 

 

結論:

めちゃめちゃ面白い。

ホラーへの免疫や知識がない初心者にも親切な設計になっていて、お化け(!)が出るシーンではちゃんと「今からきますよ~」と無駄にデカい音でアピールしてくれるので、それなりに心の準備ができます。笑

もちろん、急に出てきて脅かす!というパターンも0ではないですが。

 

前半は、各お化け(!)に怯える美少女たち(玉城ティナちゃん美しすぎ問題)をそれぞれ描いていて、普通にホラー。

いや、ツッコミどころは数えきれないほどあったけど。水責めビンタシーンとか。

後半は、怪しげな霊媒師?二人組(ブラックジャックピノコ説を支持)が、予告編にもあった「化け物には化け物をぶつけんだよ」という名言を吐き、美少女2人が呪いの家で呪いのビデオを観るという暴挙に。

ホラー初心者の私でもさすがに、「え?それで解決するのか…?大丈夫か!?」と心配になりましたが。

 

オチは言いませんが!最後の最後までちょっとクスリとくる展開に、絶賛したくなる気持ちも分かる。

 

そして、観てるうちにだんだん俊雄くんが可愛く思えてきちゃって…これってもしかして、恋?!

しかし、“呪いのビデオ”っていうと怖いのに、“呪いのDVD”だと全然怖くないのはなんででしょう…時代の変化にちゃんと対応してる貞子氏、素晴らしい。そりゃ森繁教授にモテるわ。

 

ちなみにEDの『呪いのシャ・ナ・ナ・ナ』も名曲。歌詞も相当寄せてきてるし、このMVとか悪ノリがすぎる。

youtu.be

 

ということで、『リング』も『呪怨』も全く観たことがなくてもちゃんと楽しめる傑作でした!夜もちゃんと寝れたしトイレも行けたよ!

ビビリだけど、これを機に他の作品にも手を出してみようと思います!でも、1人で観るのは無理なので、誰か付き合ってください!笑

2016上半期・よく聴いたアルバム

7月に入りまして、早いもので2016年もあと半分。

ということで、上半期に発売され、自分がよく聴いたアルバムをつらつらと並べて自分の好みや音楽シーンの傾向なんかをみていきたいと思います!

 

#apieceofcake

#apieceofcake

 

 シンセの音が入ってて、ちょっと高めの少年っぽい声やキャッチーなメロディもとても「今っぽい」なという印象。これからぐいぐいとばしていくんだろうなぁ!

MOON

MOON

 

パッと聴くとキラキラした印象なんだけど、実はすごく艶っぽいバンドよね。今後は日本語詞で展開していくのかしら。

THE LAST

THE LAST

 

 帰ってきたスガシカオ!って感じで長年(いや、言うほどじゃないけど)のスガマニアはにやにやが止まらなかったですよ

全部絞りつくして、それこそ、魂を削って、つくりあげたであろう大傑作(べた褒め)

LOVE & VICE (初回限定盤)

LOVE & VICE (初回限定盤)

 

 Suchmosはやっぱ若手の中で頭一つぬけてるよな~!

表題曲の「STAY TUNE」、Youtubeの再生回数がとんでもないことになってる。

ワイルド・サイドを行け(通常盤)

ワイルド・サイドを行け(通常盤)

 

 メロディは明るいんだけど、松尾レミの不思議な声と歌詞がロック臭さを引き立ててますね

ジャケットのレトロな雰囲気が好き!

 ベストだからノーカン!と思ったけど、弾き語りは新録なので一応。新ギタリストがどうなるのかドキドキだ。

CHOCOLAT & AKITO MEETS THE MATTSON 2

CHOCOLAT & AKITO MEETS THE MATTSON 2

 

 AOR的な音、双子のグルーブ感、そして生と死を歌う歌詞。でもちっとも暗くない。この夫婦すごく素敵で大好きになった。

TOKYO BLACK HOLE

TOKYO BLACK HOLE

 

 出産後初のアルバム。子どもを産むと女性は変わる、とはこういうことなのか!

どの曲もシングル表題曲にできそうなくらい、完成度が高くて、耳に残る。

METAL RESISTANCE(通常盤)

METAL RESISTANCE(通常盤)

 

 全世界待望のやつ。メタルなのに全然重くない。イギリスでも相当に話題になったのに、日本ではまだ一部の音楽オタクが聴いてま~すな感じですよね。

COSMIC EXPLORER

COSMIC EXPLORER

 

 こちらも待望の新作!シングルではパッとしなかったような曲もちゃんとまとまってて聴きごたえ抜群。NYで観れるのがほんとに楽しみ!

HEAD ROOMS

HEAD ROOMS

 

 tacica、音源は意外とハイペース。インディー時代の再録もあるとはいえ。トシ君以外のドラムの音にすっかり慣れてしまい、ちょっと寂しい。

good morning

good morning

 

 月9の彼女。若干20歳とは思えない歌声、、、バンドメンバーも超絶豪華です。福山プロデュースの「Soup」も良いけどこれも必聴!

D.A.N.

D.A.N.

 

 こういうのも好きです。最近あまりいなかった(よね…?)から彼らが流行っている事実が嬉しい。

心の中の色紙

心の中の色紙

 

 あの長澤くんが!バンドで!CDを出したよ!やったねーー!尾崎豊を思わせる(オマージュ?)サウンド、青い。

Don't Know Where It Is

Don't Know Where It Is

 

 おとなしくまとまりすぎてた音源、、、ライブハウスで観たいと言いながらいまだに観れていない!

YEARS

YEARS

 

 思った以上にはまってしまった。1曲目からそこはかとないクライマックス感。優しい音と声、でも力強さもあって、、、飽きさせない。

COLD DISC(通常盤)

COLD DISC(通常盤)

 

 この時期なのに夏が終わるような予感をさせるアルバム。(主にシーグラスのせい)まさしく邦ロック、全編通して聴きたくなってしまう

Time To Go

Time To Go

 

 分類的には歌モノロックですか。声が古き良きロックンローラーな感じで。メロディはちょっと単調にも感じるけど、気付くと1枚聴き終わってた。

BASIN TECHNO

BASIN TECHNO

 

 控えめに言って最高!ってやつ

THE OCEAN

THE OCEAN

 

 普段は絶対聴かないチャラパンク系、こんな曲も書けるのね。聴かず嫌いよくない。

Daniels e.p. 2

Daniels e.p. 2

 

 試聴したら思ったよりよくて買ってしまった。英語詞復活。私は日本語詞も好きだけれど。

Ghost In My Place EP

Ghost In My Place EP

 

 予想外の収穫でした!ちょっとThe 1975的な空気もあってほんとに日本人かよと驚きを隠せぬ

37.2℃

37.2℃

 

 第2の大森靖子という触れ込みらしい。こういう女性シンガーかなり好きかも

たりないふたり

たりないふたり

 

 最近のわたしの元気の源。

A Long Day

A Long Day

 

 ミツメみたいに生きていきたい

fam fam

fam fam

 

 前作からの成長がすごい!これからの季節、手放せない1枚だ

FINAL FRASH

FINAL FRASH

 

 なんかむかつく、のに聴いちゃう、DOTAMAのカリスマ性。

Awesome City Tracks 3

Awesome City Tracks 3

 

レコーディングがうまくいっていないと耳にしていて心配だったけど、前の2枚の印象を良い意味で変えてきた!まだまだこれから、楽しみだ。

ティー・フォー・スリー

ティー・フォー・スリー

 

 聴かせるアイドル。楽曲提供、豪華すぎるぞ。

LAY YOUR HANDS ON ME

LAY YOUR HANDS ON ME

 

 活動終了にふさわしい一枚。ニクイ演出まで全部愛おしい。

 

結局邦楽オンリーになってしまった。レディヘとか、ボウイとか、アノーニーとか、よく聴いたってほどではないからなぁ。もっと聴きこもう。

ざっくりと、歌モノロック、エレクトロニクス系、アイドル・女性シンガー系、が好きなのか、わたしは。

2016年上期、いわゆる「シティポップ」界隈が活発に動いていて、これからもっと大きなシーンになっていきそう。楽しみです。

下期も愛をもって音楽に接してゆこう。

6/18 フルカワユタカ presents『play with B』~with C2 w/BaseBallBear

フルカワユタカ氏とベボベの競演を観た。意外にも初めての、下北沢GARDENにて。

待機場所の地下2階は、ベボベグッズを身に着けた若いファンで溢れていた。パッと見、7~8割くらいはベボベファンかなぁといった感じ。(かくいうわたしも。)

フルカワさんは、ベボベ・湯浅脱退後のツアーを8本、共に回ってきた。でも、これまでその理由を明確には語ってこなかった。頼まれたからやった、というような、ふんわりしたことは話していたけれど。

そんなフルカワさん主催の今回の企画。まずは、いつものSEとともにベボベが登場する。

もちろん(!?)主催者・フルカワさんがサポートギター。個人的に湯浅脱退後、2回目のライブで、やっぱりまだ寂しくて悲しくてつらい、という気持ちは抑えられなかった。

けれど、フルカワさんは迷いなく力強い演奏をしてくれていて(きっと内心はたくさん迷いもあっただろうけど)、だからわたしも「大丈夫だ」って思ってみていられたのかも。

「「それって、for誰?」part.1」、「不思議な夜」、「曖してる」、とツアーでも披露した楽曲が続く。「それって~」のギターソロは、スターのファンだけでなくベボベファンまでもが、安定した力強い演奏や会場を煽る姿に夢中になっていた。

続くMCで、「実はフルカワさんとやるのは野音で最後だった」ことが明らかに。「だから今日は延長戦みたいなもん」と。

ベボベは昔、ドーパンのツアーに帯同したことがあったそうで。でも、そこでは特に仲良くならず(小出曰く、「威圧感があった」)。ただ、フルカワさんと「波が合った」湯浅とは交流が出来ていたとのこと。

MCやインタビュー、ラジオではほとんど話さなかった湯浅が、どんなふうに話していたのか、今となっては想像するしかないけれど、そうやって慕える先輩がいたことは彼にとってとても大きかったと思う。もしかしてスターがいなかったら、湯浅はもっと早くいなくなっていたかもしれないし、もっと最悪の結末を迎えていたかもしれないし…

そんなMCのあとに「どうしよう」。これ、すっかり涙腺破壊ソングになってしまった。ライブを観ていても、ここにいない人のことばかり考えてしまってダメだなぁ

そして爽やか残酷ソング「short hair」。

フルカワさんこのあともライブするんですよね!?っていうくらい、全身全霊でベボベをサポートしてくれていて、本当にありがとうスター…という気持ちだった。

いやでも、フルカワさんに一番お礼を言わなきゃいけないのは湯浅だろうが!って思いながら。笑

曲中、堀くんと何度も向き合って演奏する姿に感激しました。

あと数曲で終わりと語るこいちゃんに、まだ終わらないでほしいと強く思った。

完全に狙いすました「changes」。ベボベらしい、4つ打ち盛り上げソング、みたいな印象があったけど、すっかり意味が変わってしまった。

「UNDER THE STAR LIGHT」withスター。より”ロックチューン”に仕上がっていた。ぼろぼろに傷つきながらも、駆け抜けていく強さ。

…どの楽曲だったか定かでないのだけど、関根と小出のバトルがかなり見ごたえあって、格段にうまくなったなと。で、フルカワさんと堀くんがバックできっちり演奏してくれてるから、安心して全力で、できたのかな、なんて。

「LOVE MATHEMATICS」「PERFECT BLUE」と、ライブ定番の2曲で、スター・フルカワユタカによる、BaseBallBearのサポートは終わった。

ベボベで相当に盛り上がったあと、7,8割がベボベファンの会場をここからどう盛り上げるのかしらと心配していたのだけど杞憂だった。

四つ打ちがメインの、キャッチーなロックチューンを立て続けに披露。演奏力や存在感あるカリスマ性を見せつけて(これが威圧感?)、あっという間に観客の心を掴む。

「ロックスター!」コールでは、思わず誰もが叫んでしまっていた。

MCでは「あんまベボベの話ばっかすんのもさぁ。来月の告知とかも…まぁ帰り配ってるから見てね」なんて言って、ベボベの話ばかりしてくれていた。なんだこの頼れる兄貴…っていうかもはやパパ!?!?

「バンドなんてのは10年15年やってたら無傷ではいられない。何もないように見えるバンドも見えないところで傷ついてんの。」「彼らは続けた、それが全てだと思うよ。」「(小出は)ありがとうって言うけど、俺も勉強になった。くすぶってた…わけじゃないけど、そんな俺を外に連れ出してくれてさ。これまで全部断ってたんだけど。2月に、将平ぽんがいなくなっちゃってさー。湯浅も、ここに立ってるのが、俺なら、いいよって言ってくれるんじゃないかなとか。マネージャーとか事務所が、やってやれって言ったりとか。笑」

と、ベボベが語らなかったたくさんのことを彼の視点で話してくれた。嬉しかったなぁ。

この4か月ですっかり、ベボベのことを好きになってくれて、本当に良かった。ありがとう。

彼がいなかったら、技術的な理由でも精神的な理由でもベボベは「終わって」いたかもしれないと思うと。

熱狂の中、本編が終了すると、アンコールへ。

小出との電話を再現(?)し、「カバーをやります」と、BaseBallBearの「The END」を。

「あってるかわかんないよ」と散々予防線をはってたくせに、完璧じゃないすか。原曲よりもちょっとパンクな雰囲気があり、フルカワさん「らしい」。

やっぱりこの曲は湯浅に向いてるよなぁ。なんであの時に、こんな曲かけたの、未来が見えていたのかい、と思ってしまう。

ドーパンを解散したロックスターが歌うからこそ、余計に、この歌詞の意味が沁みた。

そしてそのあとに「Crazy」。殺人的なセットリストじゃないか。

 

このインタビューが物語ってるな。彼はまごうことなきロックスターです。ベボベにせよフルカワさんにせよ、ロックンロールは続くのです。

 

www.barks.jp

TL見ていたら、ベボベファンもスターのファンもお互いに感謝し合っていて、素敵な関係になったなぁと!

これでフルカワさんのサポートは一旦最後だけど、きっとまたどこかで。

 

<SET LIST>


1.「それって、for 誰?」 part.1
2.不思議な夜
3.曖してる
4.どうしよう
5.short hair
6.changes
7.UNDER THE STAR LIGHT
8.LOVE MATHEMATICS
9.PERFECT BLUE

 

1.too young to die
2.Beast
3.GAME
4.slow motion
5.眠りたくない夜は
6.君は神様だったから
7.ボクは、少しズルくなる
8.I don't wanna dance
9.the mugendai dance time
10.The Fire
11.Transient Happines
12.beat addiction
13.MIRACLE

encore
14.The End (Base Ball Bear)
15.Crazy

映画『FAKE』を観た

「誰にも言わないでください、衝撃のラスト12分間。」


佐村河内騒動のドキュメンタリー/映画『FAKE』特報

オウム真理教信者を追った『A』『A2』を手掛けた森達也さんの最新作『FAKE』は、2014年に世間を賑わせた、新垣亘さんを“ゴーストライター”としていたという、佐村河内守氏を被写体にしたドキュメンタリー映画。

実は私、森さんがこの映画を撮り始める前に、彼の講義を受けていて。映像は思考停止させるとか、客観中立なんてないということを、様々なドキュメンタリーを通じて学びました。

映像はもうできない、やらないと言っていた彼の久しぶりの映像作品ということで、大変楽しみにしていました。

講義を通じて彼には散々騙されて(?)きたので、相当疑心暗鬼になって観てしまいました。でもこれは、もっと素直な気持ちで観ても良かったのかもしれない。

別にラスト12分間を知ったからといって、この映画はつまらなくなりません!

 

blogos.com

映画内では“悪役”的な立ち位置の神山さん。彼はこの映画にジャーナリズムを感じられないだのなんだの言ってるけど、そりゃそうです、これ、そういう映画じゃないですよ。と言いたくなった。

で、実は彼、出演を断っていて、映画内では「多忙などを理由に」ってなってるんですが。

 

miyearnzzlabo.com

「(傷つけた)少女たちに直接謝罪しない限り応じられない」というのが理由だったようです。ちなみにこの少女たちの話は本編でも全く触れられていない。

『A』や『A2』でもオウム被害者のことや事件のことは全然取り扱っていなかったことからもわかるように、これが森さんのやり方。というかドキュメンタリーなんて全部そうだ。別に嘘をついているわけではない。見せたい部分・見せたくない部分をいくらでも選べる。だから客観中立なんてありえない。

佐村河内氏が本当に嘘をついていたのかどうか?本当は新垣氏が嘘つきで“悪者”なのか?映画を観てもその答えはありません。ただ、メディアは分かりやすい二元化が好きなのだ、そして私たちはそれを思考停止して受け入れすぎてる、ということ。

だからこれは、佐村河内氏と新垣氏に限った話ではなくて、何にでも当てはまる。

どんなふうにまとめたらいいか分からない。というか、「分からない」というのが一つの答えかもしれない。

ただ、私は、譜面が読めない・書けないプロの作曲家が少なくない数、存在することを知ってる。そして、やっぱりちょっと変わってて、時にはコミカルに映っている佐村河内氏は、ある意味とても作曲家、芸術家らしいなと。

 

被写体を騙さなかったことなんてない―『FAKE』森達也監督&橋本佳子プロデューサーに聞く|「今日のインタビューは受けません。佐村河内さんを取材するなら」で始まった... - 骰子の眼 - webDICE

 

 このインタビュー…いや、ドキュメンタリーも、非常に面白かったです。ちょっとニヤニヤしてしまった。

6/4 AFOC the 10th Aniversarry "THE BLUE TOUR-青く塗れ!-"@新木場STUDIO COAST

 ロックンロールバンド・a flood of circleの10周年ツアー@東京。彼らを観るのは3月の新宿LOFTでの「佐々木vsAFOC」ぶり!

 Twitterの数十秒の映像からも各公演の盛り上がりが伝わってきていて、たいへんワクワクしておりました。

 以下、ネタバレありのレポート。

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4/30 BaseBallBear/日比谷ノンフィクションⅤ@日比谷野外音楽堂

 BaseBallBearのギター・湯浅将平の失踪、そして脱退という衝撃的なニュースから、早2か月。

 彼がいなくなってから初めての東京での公演ということで、ファンが詰めかけ、チケットは当然ソールドアウト。当日券も出ないほど、満杯の野音公演。

 

 今回はフルカワユタカ(元ドーパン)、田渕ひさ子(元ナンバガ)、ハヤシ(POLYSICS)、石毛輝the telephones)という豪華なサポートギタリスト4名を迎えてのライブとなった。(なんと全員別バンドでギタボ担当の人々。サポートにしては豪華すぎるメンツ)

 

 期待半分、不安半分といった気持ちでステージを見つめていると、いつものSEが流れ出す。メンバー3人とフルカワさんが登場。いつもと違う光景に、ちょっと胸がきゅっとした。

 SEを止めようと手を挙げる小出佑介(vo&gt)が、ガッツポーズをしているみたいに見えて、彼らの闘志を感じた。

 そして1曲目、「「それって、for誰?」part1 」でライブがスタート。スター・フルカワさんのギターは初体験だったけれど、さすがスター、めちゃめちゃに上手いし、カッコいい。本当はベボベを食っちゃうくらいの人だけど、ちゃんとサポートに徹しているのもまた。

 12月に観たCの再現ライブを思い出して、湯浅がいなくなった事実を改めて突きつけられてしまった。目頭が熱くなったけれどグッと耐えた。

 「ボーイミーツガール?青春?今日来てるやつらはみんな、解散とか活動休止経験してきてるから。青春終わらせるよ。毒を注入して帰るよ。」というようなことをメンバーに語りかけたスター。そうか。ベボベはここから、本当の意味でオトナになるのだな、としみじみしてしまった。

 「不思議な夜」、「曖してる」と、最新アルバム『C2』収録曲を続けて披露し、フルカワ氏はいったんステージから捌け、続いて登場したのは-

 

 そう、田渕ひさ子。これが胸アツってやつか。

 私の世代からするともはや伝説のバンド・ナンバーガールの鬼ギタリスト。

 メンバーも彼らのことが大好きで、4人で東京でのラストライブを観に行ったらしい。夕方ジェネレーションがナンバガのまがいものって叩かれて、今でいう“炎上”した、という話をしていた。でも、そこから成長して今の彼らの音楽があって、ここまで続けてきてくれたことがただただ嬉しい。

 そんなベボベが、彼女と共演を果たす日が来るなんて。そしてそれが、湯浅の失踪・脱退のせい、というか、おかげ、というのは何たる皮肉。

 実は田渕さんの音をイメージしてつくった、という「こぼさないでshadow」。そして、かつてのベボベの代名詞と言っても過言ではない青春ソング「short hair」、「PERFECT BLUE」。

 なんとニクイ選曲!爽やかな楽曲が、田渕さんのギターが加わることで、“騒やかな演奏”に。メンバーが向かい合って演奏する中、ナンバガの伝説のライブ映像で観たのと同じように、ひたすら自分の手元のあたりを見て鬼のようなギターを弾く姿に惚れ惚れした。

 田渕さんが捌けるときに「可愛い~」と言っていたこいちゃん、完全にファン目線だったな(笑)

 

 そして、メンバーの誰よりも目立つ、オレンジのつなぎ、バイザーといういつも通りの姿で登場したのはハヤシさん。憧れの田渕さんとの共演を終えたからか、メンバーもちょっと肩の力が抜けてきた雰囲気だった。

 こいちゃんとは特撮仲間らしく、観客置いてけぼりのマニアックトークでひとしきり盛り上がり、「ぼくらのfrai away」。ハヤシさんもおそらくモテなかったことを思うとピッタリなチョイス。

 そして疾走感あふれるナンバー、「UNDER THE STAR LIGHT」。ハヤシさんのピロピロギター、しっくりきすぎて怖いくらい。

 最後は、普段はやらなそうな曲なのであえてお願いしたという「どうしよう」。POLYSICSでは使わないというテレキャスが新鮮だった。「青春が終わって知った 青春は終わらないってこと」という言葉の意味を考えてしまって、少し沈んだ。

 ちなみに「TOISU!」禁止令が出ていたけど、最後の最後で叫んでいた。

 

 5人目のサポートギタリストは石毛さん。ハヤシに続いてハイテンションなイメージのある彼だけど、同世代であること、そして湯浅失踪後初のライブ『こなそんフェス』でサポートを務めたことなどからも、ベボベファンからは厚い支持を受けているという印象だ。

 彼との1曲目は「17才」。4人で過ごしただろう青春時代を勝手に思って、胸の奥がきゅっとした。

 2曲目は「changes」。この辺から涙腺崩壊してぶっさいくな顔で観ていた。「春が息吹く」ってなんて綺麗な言葉。

 続く3曲目はなんと、「十字架YOU and I」。この曲はライブでもよく披露されているのだが、MCやインタビューであまり話さない湯浅がダンスする、というのが定番のパフォーマンス。(通称、ダンス湯浅将平といいます 気になる方はググってください)

 そのため、湯浅脱退後のライブでこの楽曲を演奏すると決めるのは彼らなりの覚悟が必要だったのではないかなと。むしろ、意地だったのかもしれないけれど。

 実は、4人でのラストライブとなってしまったCDJでもこの曲を演奏していて、フェスでマイナーなアルバム曲ということで、超アウェイの中、踊っていた彼のことがよぎった。

 で、その曲を受け入れた石毛さんも相当覚悟が必要だったろうなと思ってしまった。ファンから叩かれたり不満を言われたりすることを承知で、彼なりにパフォーマンスしている姿が堪らなかった。

 

 ここから再びフルカワさんがステージに。「ホーリーローリーマウンテン」、「カシカ」と共に回ってきた『C2』ツアーでも演奏してきた楽曲が続いた。

 そして「真夏の条件」―これもなかなか歴史の古い曲で、ギターの目立つ楽曲。当たり前だろと言われそうだけど、スターはギターがうまいんだよ、聴かせる演奏だし、音もなんだか分厚いし。湯浅が脱退して彼らのライブが大きく変化していることに、心を抉られた。

 そのまま「LOVE MATHEMATICS」。ライブでは盛り上がる曲で、いつもならただ「楽しいな~」としか思わないのだけど、走馬灯のように4人のライブが頭を巡って、泣けてしまった。

 -これからはこの3人が、BaseBallBearです。

 と言い切る小出の姿に、「俺たちは前に進むよ。君たちはどうすんの?」と試されているような気持ちになった。私たちはもう、食らいついていくしかない。たぶんまだ悲しいし辛いけど、ここでグズグズと泣いている場合じゃない。たぶん彼らはもっと面白いバンドになるし、良い音をたくさん作ってたくさん鳴らす。それを絶対に見逃したくない。

 ラストは「HUMEN」。

 

 そしてアンコール。ステージには3人。ここで初めて彼の不在が浮き彫りになった。右端が寂しい。こいちゃんも、片腕を失ったという表現を使っていたけれど、本当にその通りだ。我が身を切られるような痛み。

 ここで、年内にアルバムを制作して、ツアーをやると宣言。4人の音にこだわっていた彼らだけど、次はキーボードやサックスを入れることも考えているようだった。それを話すこいちゃんは、少年のようにワクワクして見えた。メンバーの脱退で絶望していたはずが、このバンドのこれからに可能性を感じている。きっとこのバンドはもっともっと面白くなる。月並みな表現だけど、表現の幅がぐっと広がるはず。

 4人の音にこだわることもロックンロールだけど、メンバーの失踪と脱退という壁を乗り越えて走り出す姿もまた、ロックンロールだ。

 そして3人で演奏する「「それって、for誰?」part.2」。少しだけ音が少なくて、だからこそ歌の強さが伝わってきた。

 ラストは、「The END」。きっと誰もが、同じ人のことを考えていた。彼の人生はつづく。そして、BaseBallBearも、つづく。

 

 今は途方もない願いに思えるけど、いつか、長い長い時が経って、あんなこともあったよな、こっちは大変だったんだよ、なんて、笑えるようになったら。

 また一緒に音を鳴らしてくれなんて言わないから、せめてまた笑いあえるようになってくれたら、と思うのは、ファンのエゴ。でも、ちょっとだけ本気で思ってる。

 

 だから、振り落とされないように、食らいついていくよ、続く限り。