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Netflixドラマ『13の理由』は、私たちのリアルだ

Netflixで配信中、各種SNSで話題沸騰の『13の理由』。

エグゼグティブプロデューサーがセレーナ・ゴメスということで、私のような引きこもりネトフリオタクだけでなくパリピ的な海外セレブ好き女子にまでがっつり届いているようです。


カセットテープが語る真実とは? 『13の理由』予告編

自殺という重いテーマを扱っているため、社会問題を提起した〜とかなんとか言われることが多いドラマですが、(もうティーンとは言えないものの)ティーンにそれなりに近い立場の私が観た感想としては、ただありのままの現実が描かれていたな、と。

SNS見てたら、アメリカの高校の話だから日本とは違う、共感できない、という声も多かったけど、日本の大学の雰囲気とほぼ同じな印象。ちゃんとクラスがある大学、みたいな。(もしかしたら専門学校と一番近いのかも)

ということで以下、ネタバレありの感想です。

 

 

 

人を傷つけずに生きるなんて不可能だけど、なるべく傷つけずに生きていきたいよね。

特にリアルだと感じたのはレイプの話です。

ジェシカがジャスティンに裏切られ、ブライスにレイプされるシーン。ドキュメンタリーでも「ありえないと言われたけどあるんです」的なことを言っていましたね。

本当にその通りで、あれは日常茶飯事とまでは言わないけど、さほど珍しくはない。ちなみに私はハンナの立場になったことがあるので、あれを見た後にハンナが吐いてしまった気持ちが痛いほどわかるような気がしました。

その後ハンナもブライスにレイプされるわけですが、レイプだと口にするのは本当に勇気がいること。

相手は知り合いだから。拒否しきれなかった自分にも非があると思い込んでレイプって言わない、言えない。私自身もそんな状況に陥った人を散々見てきたからこそ、カーター先生の言葉に絶望しました。

先生はああ言うしかなかったという意見を見かけたけど、むしろ一番言ってはいけない言葉を言ってしまったと感じた。

多分みんな「私(俺)のせいじゃない」「そんなことくらいで」と思ってて、その無意識とか無責任さがハンナを殺したんだなぁと。

クレイが「僕が殺したと?」と聞いて、トニーが「ああ」って答えたのは、本当の意味でハンナを助けられたのはクレイだけだったからですよねえ。

だからずっとテープの中で人を責めてきたハンナが、クレイにだけは「あなたのせいじゃない。私のせいよ」と言ったんだろうな、余計に辛いな。

最後、アレックスが自殺を図ってしまったのは新たな悲劇の始まり。

一見被害者に見えたハンナも、(意図的とは言え)他人をボロボロに傷つけてしまっていて。

クレイはハンナのテープを「いいこと」と捉えていたけど、あれが効果あるのは多分当事者だけで、それ以外の人は自殺まで追い詰めなくとも、同じようなことを繰り返すだろうな。

人は人を傷つけてしまうもの。それを分かった上で行動して、発言しないと取り返しがつかなくなる。

私は学生の時、大人の方が辛いと思っていた(いいなぁ学生、と言う大人が多いから)。

でも社会人になった今、学生の方がずっときつかったと感じています。

同い年というだけで狭い教室に押し込められて、意味不明な集団行動を強いられて、理不尽なことばかり言われて、いじめもあって、本当に辛かった(もちろん楽しいこともあったけど)。

だからあえて声を大にして言います、大人、超楽しいよ!大丈夫!

私は今、あの時死ななくて良かったと心底思っています。

結末は変えられないと分かっていても、見ていて辛かった。

ハンナ・ベイカーの冥福を祈ります。