『僕たちがやりました』、最後のページのメッセージは「これがお前だ」という説
少し久々の更新。
いつも通っている美容室、置いてある漫画のセンスが最高で「オススメどれですか?」と聞くと絶対に面白い作品を教えてくれるんですが。
今回勧めてくれた『僕たちがやりました』がすごく良かったというかむしろ最悪だったというか、カット&カラーしてもらっている間に全9巻を一気読みしてしまいました(迷惑)
なにやらドラマもやるそうで。
タイトル通り主人公たちが犯罪行為をやらかしてしまうんですが、結局最後まで裁かれない。
逃亡劇メインかと思いきやそれは前半であっさり終了し、あとはひたすら心の葛藤、葛藤。
台詞があまり多くないのでスラスラ読めてしまうし、コメディチックな描写も多いのでどうしようもねーな、なんて思ってところどころ笑いながら読み進めていたら、最後のページで「これがお前だ」って言われた気分になりました。
あっさり読めるけど、後から胃のあたりにずーんと来るような。
クズだな、と思っていたマル(最後までブレない)だけど、実は彼の言っていることは論理破綻していないようにも思える。
どんな理由があっても人殺しはダメ、というのは紛れもない正論だけどその正しさに殺される人もいるよね。肉体的にだけでなく、社会的にとか精神的にとか。
被害者ヅラしてる、事故で死んだ矢波高の不良の親たちだって、視点を変えれば間違いなく加害者の親ですよ。
だからと言って許されることじゃないのはわかった上で。
ドラマ版のキャッチには「青春逃亡サスペンス!」とあるけど、そんな爽やかな感じじゃない。胸糞漫画とか鬱漫画と言われるだけあるな、という。
原作版とは違う結末らしいので期待です。蓮子と結ばれるとか。ないな。
読後感は決して良くないし、誰が悪いのか?とか、これからどうすれば良いのか?とか、考え始めるとますます落ち込む作品です。
登場人物全員クズだわ、と思って読んでいる人たちみんな、最後のページのトビオの顔してると思う(偏見)。
と思ったけど作者たちは比較的ギャグのつもりで描いていたようで。
行き当たりばったりだったからこそのスピード感なのかも。
市橋がとても好きだったので途中とてもしんどかった、、、