ドラマ版『僕たちがやりました』でトビオが出した答えは、生に執着し続けること
以前、漫画版『僕たちがやりました』の感想を書きました。
今回はドラマ版についての感想をば。
実は最近、お仕事上ドラマを観ることがぐっと増えて。(逆に映画はメンタル的な問題であまり観に行けてません。早く回復したい)
今期も色々チェックしていたのですが、そのうちの一つだった『僕たちがやりました』が遂に最終回を迎えてしまいとても寂しい気持ち。
原作よりもトビオの心情描写などがとても丁寧だった印象で、SNSを使ったプロモーションが上手かったのもあり、原作とは違ったファン層を取り込んでいたのではないかと思います。
21時台のドラマなので暴力やエロは多少マイルドになっていたものの、根本にある鬱屈とした胸糞の悪さは変わらず。
彼らをクズだと切り捨ててしまうのはカンタンだけど、じゃあ自分は絶対にしないと言い切れるのか? とずっと問いかけられているようでした。
私は正直自信がないし(爆弾は仕掛けないにしても、友達と悪ノリして想像力に欠けたイタズラをすることはあると思う。トビオたちはそれがたまたま大ごとに発展しただけの話)、だからこそトビオたちにも共感を抱ける部分はあった。
いい歳こいたオッさんライターとかは、何だこいつら、わけわかんねー!頭悪りぃー!みたいに書いてたけど、育ちが悪い20代としては、リアルに映る部分も多かった。
今のメンタル的に、「死」に魅了されながらも、必死で生きるトビオの気持ちも痛いくらい分かってしまう。
と同時に原作とは違ってきちんと屋上で懺悔していて、少しスッキリしました
職にも家族にも恵まれずに10年経った設定のトビオは原作よりもその辛い人生が分かりやすかったと思います(原作はブラックだけどちゃんと仕事をしていて、結婚して子供ができているので)
窪田くん、さすがに10代と並ぶとやっぱアラサーだな(外見的に)と思ってしまいました、が、それを上回るトビオぶり
後半の狂い方が素晴らしかった。
あとラブシーンがエロすぎるので勘弁(これが年の功か?)
真剣佑の顔全然好きじゃなかったし、市橋に似てない!という印象だったのに、いざドラマが始まったら市橋がそのまま実写化されてる、と感激しました。
あの目つき、視線。彼は紛れもなく市橋でした。
それだけに自殺した時の悲しさも増してしまった
その他
間宮祥太朗、葉山奨之もほぼ原作のイメージそのまま。いや、間宮くんは良い感じにバカっぽさが増していたか。
予想外に大活躍のウンコも良かったな。
原作では本当に数コマしか出ていなかった(のに存在感抜群)飯室さんが超重要人物になっていたのも嬉しかった。冷徹に見えてものすごく人間臭い。
三浦翔平のイメージが変わりました
女性陣
ヒロインポジでは、回を追うごとに垢抜けていく永野芽郁ちゃん、女子から見ても何だかエロい川栄李奈ちゃんがとても良かった!
二人とも芯の強さがあって。女子ながらに惚れてしまう。
トビオが蓮子とちゃんとお別れしていたシーンも描かれてて、ほっとしました。
水川あさみ演じる菜摘ちゃんは原作派としては蛇足だった感も否めないけど、あれがないとドラマの内容薄くなってしまうので、緩急つけるためには必要だったのかなぁ。
これは私のエゴですが、彼女には報われてほしいです、切実に。
総括
みんな幸せになってほしいと思う反面、みんなそれぞれの形で罪を一生背負っていくのだろうなと。
受け入れることも乗り越えることも多分無理で。
トビオは市橋の亡霊とずっと一緒に生きていくんだと思う。
いい歳こいてバイトクビになって、彼女もいないかもしれないけど、でもどんな形でも生き続けること、どんなに醜くても生に執着し続けること、それが重要なんだろうな。