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映画『昼顔』で妻を名前で呼び続ける斎藤工が許せない


「昼顔」予告

 

ドラマを見たことがないけれど、あまりにも評判が良いので観てきました。映画『昼顔』。

オチや大体の流れを聞いてから観たにも関わらずやはり泣いてしまった。

以下、ネタバレを交えつつ。

とりあえず今は斎藤工許すまじ、という気持ちでいっぱい。

この男は最期まで別れようとしてる女を「乃里子」「乃里」と名前で呼び続ける。

好きな男に名前を呼ばれることがどれだけ辛いか。

乃里子は必死で冗談めかして、「北野くん」なんて呼んでたのに。

紗和も基本的にずっと「北野先生」ですよ。

 

乃里子が本当に恨むべきは紗和ではなく、北野のはずなんだけどそれが出来ない。

愛ってこんなにも恐ろしくて美しいんだな、という。

 

結局誰にも恨まれず死んでいった北野の目線で見れば、ある意味この映画はハッピーエンドなのかもなぁ。

北野は紗和に堂々と「乃里子に会ってくる」と言って、嘘をつかなくて済んだからスッキリしてるだろうけど、たとえ別れる人でも奥さんですからね。紗和からしたらそのあとに「明日婚約しよう」と言われても多分少しモヤっとしていることでしょう。

(これ、『あなそれ』でも有島がやってたやつ)

 

最期まで紗和に「好き」と言わなかった北野はずるすぎる。

紗和はもらうはずだった指輪も見つけられず、という報われないし惨い話。しかし、責められるべきは乃里子でも紗和でもなく北野でしょう。死んだからといって許されないぞ、と謎の目線で怒りを覚えている…。

遺体はどうなるのでしょうね。乃里子の実家も困りそう。とはいえ順当に行けば乃里子が喪主になるのかな。しかしそんなドロドロしたところを描かないのもまた乙。

残酷なまでに全ての映像が美しいです。

平和な漁師町をめちゃくちゃに壊していく上戸彩の美しさを目当てに観にいく人の気持ちもわかる。

 

『あなそれ』と言い『昼顔』と言い、男の不倫は許されて女の不倫は許されない風潮はなんなのでしょうね。