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音楽とか映画とかドラマとかの話をしてます。

「害虫」と「渇き。」

先日、「害虫」と「渇き。」を観ました。

この2作品は主人公やその周りが壊れていくというテーマが似ているようで全く非なる映画。

「害虫」は宮崎あおいちゃんのデビュー作。今のふわふわ清純な雰囲気とは一味違う彼女の演技が観れる貴重な作品になっています。

「渇き。」は小松奈菜ちゃんの女優デビュー作。とにかく可愛い。デビュー作ながら彼女の魅力が全開な作品です。

 

「害虫」は音楽が最低限しか使われておらず、だからこそ爆音でナンバーガールが流れたときは本当に興奮します。

最近の映画は説明的すぎるものが多いのですが、この作品はあえて説明しない、語らない部分があり、いろいろと想像が膨らみます。

例えば主人公が火炎瓶を投げた先はどこなのか?とか。どうやら友人の夏子(蒼井優)の家という説が濃厚なようですが。わたしは自分の家かと思ってました…笑

自分を「かわいそう」扱いした夏子に対する報復だったという意見が多いみたい。

夏子はクラスにいたら絶対嫌いだったなぁわたし。わたしは正しい!っていう顔をして周りを振り回す感じとか。ちょっと悲劇のヒロイン気取ってる、傷ついてるけど頑張ってる自分が好き!な感じがにじみ出ちゃってるよね。

サチ子は末恐ろしいな。自分の可愛さを自覚していて、それでいて無防備。その無防備さすらも計算されていて、でも自覚的には計算されていなくて。

ラストシーンもすんごく意味深。先生には再会できず(というか、あえて避けたのかな)売春(援交?)の道に進んじゃう。

振り返ったときに先生のことが見えたのかどうかもわからない。喫茶店で彼女は車が流れる方向を見つめて、何を思っていたのかもわからない。

全ての解釈がこちらに委ねられている、そんな映画。

彼女に関わった人そうとは気づかないままに振り回されて壊されてる。

監督曰く、彼女自身が害虫、らしい。

 

一方「渇き。」はとにかく画面もBGMも騒がしい。

感情のぶつかり合いが画面に映っていて、直接的に殴ったり刺したりするような映像がたくさん使われている。

主人公の加奈子はとにかく可愛くて、サチ子とは違ってその可愛さを思い切り計算して利用している。自分がこう言って喜ばないやつがいるわけない、この時にこんな表情でこんな言葉を言えば大丈夫、言いなりになる、そんな考えが透けて見える。

けれどそれでも許して愛してしまう。それほどまでに可愛い。笑

内容としては正直イマイチ、いや実はこれってよくあるヤンキー映画じゃん?という感じ。

色々な事件が結果的には何も解決していない。

「害虫」はあえて説明を省いた映画だけど、「渇き。」は説明不足な映画といった印象。

ただ、この作品の登場人物はほとんどみんな歪んで、狂っている。

そしてその中心にはいつも加奈子がいる。それなのに加奈子はどこか正気を保っているような、歪んだ自分を第三者の目線で冷静に眺めているような、そんな女の子であるように見える。

情報過多なのに説明不足な映画。でも小松奈菜ちゃんと二階堂ふみちゃんと橋本愛ちゃんの可愛さですべてがカバーされてるのでオッケー。笑 というかこれは映画ではなく小松奈菜ちゃんのイメージビデオなんじゃないかくらいの。

あ、でんぱ組inc.の音楽がとてもマッチしていたのでそこは評価したいです!